アンコンシャスバイアスの悪影響に陥らないためには?
こんにちは
株式会社リソースフル 中田明子です。
「アンコンシャスバイアス」(無意識の偏見・思い込み)に関する弊害が叫ばれて久しくなりました。
主に、ダイバーシティ推進の文脈で注目され、多くの企業で研修が導入され始めています。
弊社でもここ1年で企業や自治体からご依頼を受け、述べ1000人以上の社員・職員の方達に「アンコンシャスバイアス」についてお伝えするとともに、具体的な対応についてのトレーニングも行っています。
この「アンコンシャスバイアス」というテーマ、私は大きく分けて3つの問題点があると考えています。
アンコンシャスバイアスが組織に与える3つの問題
①自己に向くことで自己理解が阻まれ、能力の発揮がなされないこと
②他者に向くことで相手理解が阻まれ、特定の属性のメンバーの能力発揮の場が失われること
③①・②の結果として、相互理解が阻まれること
つまり、個人がリソースフルとは反対の「アンリソースフル」な状態になることで、組織のパフォーマンス低下につながるのです。
アメリカのGoogle社は、成果が出るチームに必要な要素として「心理的安全性」を提唱しました。
また、ダニエルキム教授の「組織の成功循環モデル」でも、「メンバー同士の安心安全な関係性」を重要なエッセンスとしています。これらがあることで個人が「リソースフル」な状態になるのです。
アンコンシャスバイアスの悪影響を防ぐには?
では、アンコンシャスバイアスの悪影響に陥らないためには、どうしたらいいのでしょうか?
私は今までの経験上、以下の対策を同時並行で行うのが効果的だと考えています。
「知る」 アンコンシャスバイアスの概念を知ること
「気付く」 アンコンシャスバイアスという概念を知り、自分ごととして捉えられること
「行動する」
自分に対して:正しい自己理解と、自身の能力発揮を最大限行える働きかけがなされること
他者に対して:相手理解・相互不理解を解消するための考え方と、実践的なコミュニケーション方法を身につけること
「継続する」 常に、自己理解・相手理解の上に相互理解が成り立っているか、適切なコミュニケーションがとれているかフィードバック・トレーニングの機会を持つこと
アンコンシャスバイアスは「イビキ」の問題の構造と似ています。 自分が「イビキをかいている」と気づかなければ「イビキを治療する」ということはできませんよね。全ての課題は認識することで初めてその解決のスタート地点に立つのです。まずは、自分のアンコンシャスバイアスに気づくこと、そこから全てが始まるのです。